トランプはなぜ勝利したのか?② マスメディアが報じない、真実のアメリカとは!?
倉山満によるアメリカ大統領『トランプはなぜ台頭したのか そもそも共和党と民主党とは何なのか』 トランプが大統領にまでなりあがったアメリカの現状!そして日本は…シリーズ②
4年か8年ごとに全てがひっくり返るアメリカ!!
4年か8年に一度、これら二大政党が入れ替わります。入れ替わるのは政党だけではありません。
アメリカでは、日本で言えば各省庁の局長や次長クラスまでがガラリと交代します。
そのため、アメリカには国防総省と国務省、また、情報機関などのごく一部を除き、官僚機構というものが存在しません。
その代わり、どちらの党も一人の国会議員が日本の役所の一つの局ぐらいスタッフを持っていて、70人ぐらいの秘書がいます。
これら大量のスタッフが大統領の替わる度に総入れ替えとなってしまうので国政がぶれまくりです。
同一政党という連続性さえ、建国当初の“バージニア王朝時代”の民主共和党の二十八年が最長で、民主党はローズベルトからトルーマンまでの20年、共和党ではグラントからアーサーまでとマッキンリーからタフトまでの16年となっています。
だから、日本の自民党のような安定しすぎたものではありません。
日本の自民党に関しては、ベトナム共産党が「日本のような上手な独裁を見習いたい」と言ったそうですが(笑)。
よく共和党がタカ派で民主党がリベラルと言われますが、共和党、民主党のそれぞれの中に右派、中間派、左派があって、一つの法案ごとに共和党・民主党の人間関係がガラガラッと入れ替わったり、極端なケースになると、いきなり極右と極左が組むことも平気で起こります。
ちなみに、民主党の極左が共和党に寝返って、極右になったのがネオコンです。
民主党で一番左だった人たちがブッシュ二世政権に乗り込んでいって、ホワイトハウスを牛耳っていました。
アメリカの場合は、日本以上に拒否権集団が強い社会制度で、「タフト法」とか、「ナントカ法」のように、ボス議員が自分の通した法律に名前をつけるのがステータスになるので、下手に大統領選挙に出るよりも議会屋でいた方が権力を握れます。
ですから、50年間外交委員長を務めている大ボス、などという人たちがゴロゴロしていて、その合従連衡で政治が動いていきます。